令和2年度計画

 現下、世界は新型コロナウイルス感染症との戦いの最中にあります。このウイルスに対する特効薬やワクチンがない中、非常事態宣言が出され、外出やイベントの自粛や飲食店、施設の閉鎖を行い、人と人との接触の機会を可能な限り抑えることで感染の拡大を抑えようとしています。企業では、在宅勤務/リモートワークや休業、交代勤務等の対応を取りながらなんとかこの危機を乗り越えようと努力しています。
 これまで、経済活動の良い面であった通勤やオフィスでの労働といった環境がコロナウイルスのような感染症にとっては悪い面、即ち大きなリスクとなることが明らかになりました。この災難からいつ抜け出せることができるか目処が立たない中、どう対応していくのか、これまでの常識に縛られない知恵を絞って、できる限りのアイデアを出し合って、共有しながら乗り切っていきたいものです。
 また、このコロナウイルスへの対応の中で明らかとなってきたマスク、防護服、医療器具の不足。これに対して、大小問わず多くの企業がマスク、防護服、その他医療器具の生産に乗り出すなど、ものづくり企業として直接的に貢献できることも明らかとなってきています。大阪でも、大阪大学発のフェイスシールドを東大阪市の企業で製造体制を整備して生産、供給するといった報道もなされています。このバックボーンには、日本企業が強みとする個々の従業員の多能的な技術力、そして企業の柔軟性があるものと思われます。 
 このように、非常に厳しい環境にありますが、大阪府技術協会は、引き続き会員企業の技術力の維持、向上を進めていく活動を継続します。特に今年度は、新型コロナウイルスの対応を教訓として、BCP(事業継続計画)やITによる業務改革への取り組みを強化して参ります。大阪産業技術研究所(以下、研究所)は、昨年度BCP計画を策定し、来年度には「3D造形技術研究開発センター(仮称)」を開設される予定であり、さらに5軸加工人材育成など「デジタルものづくり」を積極的に進められています。また、金融機関との連携を行ってもいます。研究所とは、従来からの基盤技術とともに、こうした課題についても、連携を取りつつ対応していきます。
 一方、当協会としては、人が集まって行う活動が難しいことが予想される中、会員のコミュニケーションを維持していくため、研究所の支援・指導の元、情報セキュリティに留意しつつWEBセミナーの活用や、ホームページやインターネット等のツールを活用した情報発信とコミュニケーションの環境を整備し、よりタイムリーに会員の声を聞き、情報を伝えるとともに、大阪府や研究所、そして会員相互の連携が可能になるように活動してまいります。

1 技術交流事業

  1. 月例研究会
    産・産連携の一環として要素技術に基盤を置く月例研究会を、金型綜合技術研究会・大阪技術開発協力会・生産技術研究会と共催します。
  2. 先進企業および会員企業の見学会
     企業業績を伸ばしている事業所や技術開発で業績を上げている事業所を見聞することで、会員企業の事業経営の参考としていただくとともに、会員相互の交流を図ることを目的とします。
  3. 相互交流会の開催
     各界の著名な講師を招き最新の話題提供と、会員相互の技術交流を図る「新春・技術交流会」を令和3年1月に開催します。
     会員企業と産学官の交流の場として、また人と新たな技術の出会いの場として活用していただきます。会員企業の売りの技術をプレゼンテーションできる場を提供するなど、積極的な企業間の技術マッチングを促進します。
  4. 技術マッチング・コーディネート
    技術上の課題を有する会員企業に対し、その課題解決に向けて、(地独)大阪産業技術研究所をはじめ、府内地域の支援機関の紹介・引き合わせを行うとともに、会員企業のニーズと各研究機関が有するシーズの仲介を推進します。

2 技術顕彰事業

 大阪経済の活性化につながる技術開発、研究奨励、ものづくりに努めた経営者、開発担当者、技術者等を積極的に大阪府知事表彰、文部科学大臣表彰、厚生労働大臣表彰、褒章・叙勲に推薦し、その栄誉を讃えます。

          表彰名(予定)予定時期
大阪府優秀技能者表彰(なにわの名工)および
  大阪府青年優秀技能者表彰(なにわの名工若葉賞)
6月頃
創意工夫功労者表彰(文部科学大臣)8月頃
大阪府商工関係者表彰8月頃
大阪府発明実施功労者・発明功績者、
  新技術開発功労者及び技術改善功労者
12月頃
憲法記念日知事表彰12月頃

3 関係機関・団体との連携

  1. 第56回実習を主にした・初級者のための真空技術基礎講習会
    (本年度は中止となりました)
  2. 2020センシング技術応用セミナー
    「~いよいよ実用化段階!~AIを用いた応用技術の動向と展望」
       開催日  令和2年10月15日(予定)
       会 場  堺市産業振興センター + オンライン配信
       共 催  センシング技術応用研究会
  3. 第48回ニューセラミックスセミナー
       開催日  令和3年2月(予定)
       会 場  未定
       共 催  ニューセラミックス懇話会 

 上記のほか時宜に適した講演・講習会を開催するほか、関係団体等の主催する事業を後援し、会員企業とその他企業に参加案内を行っていきます。
 研究所内関係機関の要望により事務委託を受け技術交流の支援に努めます。

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