令和3年度計画

 昨年度は、新型コロナウイルスの感染拡大により、4月初めから5月にかけての緊急事態宣言による各種社会活動の停止の始まり、宣言解除後も感染拡大への懸念から、従来の社会活動はほぼ停止状態であり、令和3年が始まってからも大阪を含む大都市圏での再度の緊急事態宣言の発出になるなど、日本および社会の活動は大幅な停滞を余儀なくされました。
 当協会においても、総会の縮小開催、新春・技術交流会の中止、および関連団体との連携事業の中止など、協会の活動に大きな影響が出ました。

 一方、日本社会においてはテレワークや、ウェブセミナーなど、デジタル技術を活用した社会システムの普及に向けて動き出し、これまで将来展望であった「働き方改革」や、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の動きが急速に進展しています。これらは、技術面だけでなく“脱ハンコ”など社会文化にも変革を及ぼそうとしています。

 当協会も、ホームページのリニューアルや、事務局と会員とのコミュニケーションを維持するための「事務局通信」の発行、ZOOMによるリモート会議の環境構築など、“出掛けられない“中での体制変革に取り組んでまいりました。

 今年に入ってワクチンの接種が始まり、アメリカ、欧州などでは経済が再開されつつあり、これまでの停滞の打破が期待される時期となっています。

 当協会においても、このような変革の時期にあって、日本産業の強みであるものづくり基盤技術に加え、(地独)大阪産業技術研究所に開設された「3D造形技術イノベーションセンター」における新しい製造技術のほか、新たなビジネスチャンスとしても捉えられているSDGs等に関するセミナーを大阪産業技術研究所や大阪府、その他の団体と協同し企画開催していきます。

 人材育成については、大阪府や国の技術関連表彰に会員を推薦するほか、真空技術基礎講習会などの基礎講習会、デジタルものづくり、ものづくり製品の付加価値を高める人材育成のための講習会を、大阪産業技術研究所や大阪府、その他団体と協同し企画開催していきます。
さらに月例研究会などで技術者間の交流を促進します。

 また、会員の幅広いニーズに対応できるよう、技術支援活動団体との連携・協同体制を整え、より広範囲の情報提供や、技術マッチングの機会を拡大します。

 さらには、協会の事業の企画・運営体制の強化に取り組みます。

1 技術交流事業

(1)月例研究会
  産・産連携の一環として要素技術に基盤を置く月例研究会を、 金型綜合技術研究会、
大阪技術開発協力会・生産技術研究会と共催します。

(2)先進企業および会員企業の見学会
  企業業績を伸ばしている事業所や技術開発で業績を上げている事業所を見聞することで、会員企業の事業経営の参考としていただくとともに、会員相互の交流を図ることを目的とします。

(3)相互交流会の開催
 各界の著名な講師を招き最新の話題提供と、会員相互の技術交流を図る「新春・技術交流会」を令和4年1月に開催します。
 さらにコロナ禍が収まれば、新たなキックオフとしての相互交流会も開催いたします。
これら交流会は、会員企業と産学官の交流の場として、また人と新たな技術の出会いの場として活用していただくとともに、会員企業の売りの技術をプレゼンテーションできる場を提供するなど、積極的な企業間の技術マッチングを促進します。

(4)技術マッチング・コーディネート
 技術上の課題を有する会員企業に対し、その課題解決に向けて、大阪産業技術研究所をはじめ、府内地域の支援機関の紹介・引き合わせを行うとともに、会員企業のニーズと各研究機関が有するシーズの仲介を推進します。

(5)技術情報の発信と、コミュニケーションの促進
 ホームページでの情報発信をさらに強化し、協会の事業の紹介やPR、大阪産業技術研究所の最新技術やイベントの紹介、大阪府の施策のタイムリーな紹介を行ってまいります。
 また、事務局通信を定期的に発行し、協会と会員とのコミュニケーションを促進するとともに、大阪産業技術研究所や、そのほかの最新の技術情報等を提供します。

2 技術顕彰事業

 大阪経済の活性化につながる技術開発、研究奨励、ものづくりに努めた経営者、開発担当者、技術者等を積極的に大阪府知事表彰、文部科学大臣表彰、厚生労働大臣表彰、褒章・叙勲に推薦し、その栄誉を讃えます。

          表彰名(予定)予定時期
大阪府優秀技能者表彰(なにわの名工)および
  大阪府青年優秀技能者表彰(なにわの名工若葉賞)
5月頃
創意工夫功労者表彰(文部科学大臣)7月頃
大阪府商工関係者表彰7月頃
大阪府発明実施功労者・発明功績者、
  新技術開発功労者及び技術改善功労者
11月頃
憲法記念日知事表彰12月頃

3 関係機関・団体との連携

(1)第56回実習を主にした・初級者のための真空技術基礎講習会
     開催日  令和3年7月27日~30日
     会 場  (地独)大阪産業技術研究所 本部・和泉センター
     共 催  日本表面真空学会、日本真空工業会  

(2)第48回ニューセラミックスセミナー
     開催日  令和4年2月(予定)
     会 場  未定
     共 催  ニューセラミックス懇話会

(3)BMB(ビジネスマッチングブログ)との連携
 大阪府が中小企業の情報発信とビジネスマッチングを促進するために実施しているBMB(ビジネスマッチングブログ)と連携し、会員の情報発信や、セミナー、ビジネスマッチングの事業を共同で企画・実施します。

(4)技術支援団体との連携拡大
 大阪府内の技術支援団体との連携を拡大し、幅広い会員ニーズに対応するセミナー情報、技術情報の提供や、講演会等の企画、技術相談の橋渡しなどを行います。

4 事業の企画・運営体制の強化

 会員の幅広いニーズや、時機に適した事業の企画・運営を行うため、「企画運営委員会」を設置します。