工場見学「帝国チャック㈱」様

所在地八尾市北久宝寺2-1-50
業種一般機械器具製造
チャックの製造専業メーカー

2017年9月28日(木)に見学者総数14名で訪問しました。
朝から、局所的な大雨に見舞われましたが、見学会の開始時間の頃には、雨もあがり、ほっとしました。

帝国チャック 株式会社 様は久宝寺御坊(顕証寺)の少し北に位置し、チャックの専業メーカーです。
チャックとは 工作物保持機器(Work Holding Device)の一つで、主に旋盤(工作機械)主軸に取付けて、ワーク(工作物)を強い力で精度良く把握、旋盤主軸の旋回をワークに伝えると同時に、ワークの加工中も把握姿勢を保つ機能を持つ機器、簡単に言えば切削加工時にワークを正しくしっかりと掴んでくれる機器です。チャックにはワークの形状や使用条件に応じて様々な種類のものがあります。
帝国チャック 株式会社 様は、お客様時に問題になる様々な難しい把握条件に応えるオーダーメイドチャックをメインに造っておられる会社です。
同社は、1926年(大正15年)日本のチャックメーカーとして創業し、スクロールチャックの草分けとして国産化を果され、1969年(昭和44年)には業界初の自動車部品量産加工用のデザインチャックを開発されました。現在では、国内No.1の品揃いとシェアを持ち、常に時代をリードした「モノ造り」にチャレンジされています。今年で創業92年目、創業100年に向かって更なる発展を続けておられます  
最初に、寺坂会長 様のご挨拶の後、会社概要および製品説明を頂きました。製品説明で、どこかのCMにもよく似た言葉がありますが、「Chucking Your HEART」の言葉が印象的でした。

その後2班に分かれて、チャックの製造工程を見学しました。チャックは多くの部品の組み合わせから構成されていますが、それぞれの部品は、設計図に合わせた最適なプログラミングにより、NC旋盤、マシニングセンター、5軸加工機などで自動的に加工され、組み立てられていました。
しかし、部品のバリ取りや面取り、最終の仕上がり確認など、手作業で行う工程も多くあり、そのようなところに、同社の『「匠魂」、「匠」を磨き「達人」を極める』が活かされ、他の追従を許さない「モノ造り」を支えていると感じました。
最近では、自動車部品などの軽量化により、肉厚の薄いものやアルミニウム、樹脂のように変形しやすい素材を厳しい条件で加工するためのチャックが求められるので、部品をどのようにつかむ(チャックする)かが難しくなっているそうです。
チャックと言えば、学生時代の実習で使用した旋盤における三つ爪のチャックしか思い浮かばなかったのですが、「匠魂」で顧客の要望に応えられ、オーダーメイドで 多種類のチャックを製作されていることには驚きました。
材料置き場では、材料が材質ごとに色分けされて置かれており、端材にまできちっと色分けされていました。材質を間違えれば、熱処理条件が変わるし、当然、強度も変化するので、材質管理が重要ですとのことでした。
「デザインチャック一台で自動車が買えますよ」とのご説明にも製作工程を見学させて頂いて納得できました。
新人教育として、5~6年の経験者を付けてマンツーマンでジョブトレーニングを行い、技術の伝承に努めているとのことでした。このことは、創業者である寺坂 清五郎 様の「モノ造り」の理念である“安売りする商品は作らない”すなわち、他の追随を許さない高度な「モノ造り」への思いを大切に継承されている表れだと実感しました。
詳細に工場見学をさせて頂き、創業者の寺坂 清五郎 様から受け継がれた、「モノ造り」にかけるチャレンジへの取り組みは、参加者一同、大変参考になりました。

ありがとうございました。

最後になりましたが、同社の社是は以下の通りです。
社是「魂 智 和」
魂 魂「SOUL」は当社の象徴である
      真心のこもった製品を提供して社会に貢献しよう
智 智慧は創造の根源である
      全知識を結集して技術を開発練磨し幸福な職場を作り出そう
和 和は繁栄の基礎である
      愛と信とを両翼として希望のある人生を築こう

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