所在地 大阪府羽曳野市西浦976
事業内容 配電盤・分電盤・制御盤ならびにLED道路灯、景観照明器具、仮設照明器具や街路灯ポールなどの開発・製造・販売
師走の2019年12月19日(木)に見学者総数12名で訪問しました。あいにくの曇り空で、寒い日でした。師走ということもあり、参加者が少し少なかったことは残念でした。
株式会社 因幡電機製作所 羽曳野工場 様は、2019年の7月に世界文化遺産に登録された百舌鳥・古市古墳群における古市古墳群の近くに位置し、電気仕掛けの社会を動かす心臓部ともいえる配電盤・分電盤・制御盤ならびにLED道路灯、景観照明器具、仮設照明器具や街路灯ポールなどの開発・製造を行っています。
同社は、1962年の設立以来、人々の生活に欠かせない電気を安心な「でんき」とやさしい「あかり」 に変えて提供することを使命とされ、最近では、太陽光・風力発電と照明を組み合わせた「風あかり」など、「でんき」=供給と「あかり」=消費の両面を知っているメリットを活かした事業を展開しています。また、より多くの人々の生活が豊かになることを使命に、社員一人一人がプロフェッショナルとしての自覚をもち、電設資材を中心とした社会インフラシステムを提供することで、人々の暮らしと経済活動に貢献されています。
最初に、当協会の岡野会長の挨拶の後、同社の斉参事 様から、会社概要ならびに製造されている製品の詳細な説明、製品の納入事例の紹介をいただきました。
同社の信条は、
1.製品、サービスを通じて社会に貢献する
2.技術、製品、経営、市場の創造に努める
3.全社員がこぞって経営に参加する
4.良き社会人の集団としてその繁栄を誓う
で、それを全社員が常に心掛けて、業務を行っ
ているとのことでした。
同社は、東西2拠点で全国をカバーされており、電気の配電事業と明かりの照明事業の2事業を展開しています。配電事業部では、発電所で造られた電気を我々の手元に届ける必要不可欠の配電制御システムのキュービクル(配電盤)、分電盤、制御盤について、大きさ、形状等を顧客の要望に応じて作製する特注品(カスタム製品)を製造して納入するとのことでした。
高い電圧が流れる配電盤は、保守点検が危険なため、その危険性を軽減でき、安全に保守点検できるように、扉を開けずに中の配線が確認でき、保守点検できる「S.K.Y(スカイ)配電盤」、「I Looking配電盤」、また、分電盤は、配線をねじで止めずに速結接続(プラグイン)できるようにし、施行者の省力化、効率化を実現され、ネーミングも施行者の手間が少し省ける「ちょいらく分電盤」など、とてもユニークでした。そのような配電盤につきましては、特許等を取得されています。配電盤や分電盤は、通常、一般の人々の目にはつきませんが、電鉄会社を始め、水族館、デパート、テーマパーク、ショッピングモールなどの納入事例が紹介されました。
照明事業部では、屋外用照明器具とそれを取り付ける照明柱を製作しています。照明器具のLED化に伴って、その放熱化や取り付け方法が問題となっており、それらを解決するために、器具の設計開発に熱流動解析、光学設計ソフトや樹脂積層3Dプリンターを活用しておられます。
また、照明実験棟では、開発した照明器具の配光測定や防水試験などは、自社で行い、自社では困難な試験である振動試験、高温・高湿試験、電磁波ノイズ試験や輻射ノイズ試験については、近くに大阪産業技術研究所があるので、そちらを有効に利用し、安全で、安心な製品づくりを進めているとのことでした。製品として、LED道路灯シリーズは「LEDIX WAY」、公園や広場に使用するシリーズは「LEDIX PARK」、太陽光と風力で充電し、環境にやさしいハイブリットソーラー街路灯は「風あかり」、工事現場で使用するシリーズは「Rabbinet」の名称でブランド展開しており、それらの特徴について説明されました。
ブランド展開している照明機器は、それぞれの用途に応じて、電鉄会社の駅舎を始め、高速道路、国道、大型ショッピングモール、公園、商業施設、駐車場など多岐にわたって納入されていることが紹介されました。そのほか、工事現場やトンネル地下道照明などにも採用されています。
その後、分電盤、配電盤等を製造している配電事業部、屋外照明器具等を製造している照明事業部、照明実験棟、板金工場を見学しました。ご説明のありました製品を実際に身近で見学すると、製品はお客様のご要望を取り入れて製作されており、ネーミングの意味が実感できました。つまり工夫の固まりのようです。中小企業における製品開発の原点を見たきがしました。
見学終了後、川口会長 様からあらためて配電盤、分電盤、制御盤の違いについてのご説明をいただき、活発な質疑応答がなされました。
配電盤等は見る機会がほとんどありませんが、照明の方は目につきますので、ご紹介のありました電鉄会社の駅舎や高速道路の照明に目が行くようになりました。
詳細なご説明とともに、工場見学をさせていただき、「でんき」=供給と「あかり」=消費の両面を知って、作業者や消費者の立場に立った「ものづくり」への取り組みは、参加者一同、大変参考になりました。
ありがとうございました。








